音楽理論 講座
作曲・編曲のための
TOP MENU BACK NEXT 音楽学校アムバックス

37. The future of Sound World ( 未来 の サウンドワールド )

さあ、未来を覗きましょう。輝ける未来です。君は広大な Music theory ( ミュージックセオリー - 音楽理論 )の世界を制覇しました。ここで得た知識をもってすれば、何も恐いものはありません。これからは自由な発想で創作を楽しんで下さい。

しかし、音楽理論だけでは何か物足りなさを感じていることも事実でしょう。現代の音楽に物足りなさを感じる。これは大事なことです。この物足りなさが新たな音楽への原動力であることは間違いありません。

では、どうすれば良いのか?いったい何が物足りないのか? 理論は覚えた。楽器もある。 Piano の音は何時聴いても美しい。しかし何かが足りない。 Distortion ( ディストーション - ひずみ ) も以前程感じなくなったとしたら・・・。昔から音楽家は、新しい感動を作り出すためにいろいろな方法を考え出しました。 Piano の足をノコギリで切ってみたり、人間の自然な感覚を超越するために Tonality ( トーナリティ - 調性 ) を否定してみたり、Poly Rhythm ( ポリリズム - 複合リズム) に挑戦したり、Noise ( ノイズ - 雑音 )だけで音楽を作ったり、20年以上前のリズムボックスを改造したりGuitarを燃やした Music ( ミュージック - 音楽 ) ianもいました。たしかに驚いたかも知れません。しかし多くの試みは時間の淘汰を超えられませんでした。 Sound World の冒険から戻って感じることは、「単なる思いつきは徒労に終わる」という事実です。

問題解決の鍵は意外なところにあります。 Sound World の入り口で予言したこと。そう Sound World の入り口と出口は同じところにある。私達は多くの冒険をして沢山の知識を吸収して、元の世界に戻ってきたのです。最初はどうでしたか? 音楽に触れた最初は?いつも音楽の新鮮さに居ても立ってもいられないほど感動したはずです。なぜ感動したか?それは初めての経験だったからに他なりません。そして今私達は、ほとんどの音楽について経験済みというわけです。そうだとすれば、感動を取り戻すには初めての経験を捜せば良いということになります。一部の例外、たとえば音楽を思い出として聴くことによる感動を別にすれば、新しい Sound ( サウンド )が新たな感動を呼び起こすことは間違いありません。そして新しい Sound の鍵も Sound World の入り口にあります。そう、あの混沌とした音の洪水。Noise ( ノイズ - 雑音 )そして Harmonic over tone series ( ハーモニックオーバートーンシリーズ - 倍音列 )です。

私達は、まだまだ多くの事情で制約された音楽しか持っていません。 Sound World では音を整理し、私達が扱い易いように並べるか、もしくは聴き易いように構築する方法を学び、それなりの自由を手に入れてはきました。

しかし現代の音楽は、まだまだもっと根本的なところで制約を受けています。ひとつは録音技術的制約、次に楽器的もしくは調律的制約、さらには演奏技術上の身体的制約です。人間の感覚、つまり脳の進化に比較して、表現方法の発達は遅々としか進みません。私達が聴いているCDは本当の Sound を再現しているでしょうか? Analog ( アナログ ) が良かったという次元の話ではありません。Analog record ( アナログレコード ) は本当の Sound を再現しているでしょうか?と置き換えても同じことです。Live (ライブ - 生演奏 ) が良いということでもありません。そのいずれにしてもすでに経験済みの Sound であることには変わりはなく、したがって進化した感覚が要求する本当の Soundとはいえません。

まさに聴きなれたSound、言い換えると、そこには聴きなれたHarmonic over tone しか存在していません。そうです、進化した感覚が要求する新たな感動は、新たなHarmonic over tone によってもたらされます。そしてそのことは、2003年の現在、まさに始まろうとしています。

Digital technology ( デジタルテクノロジー - デジタル技術 ) の進歩が、感覚の進化に追いつき、いままでは技術的に不可能とされていたHarmonic over tone を取り込んで新しい感動を作り出します。

Piano を弾いた時、私達は本当のSoundを表現しているでしょうか?実は Piano という楽器の制約の範囲で曖昧に表現しているに過ぎません。調律はあっていますか?それはどの程度に。

現代の Piano はすべてAn equal temperament ( イコールテンパーメント - 平均律)によって調律されています。このAn equal temperament はどこまでいっても妥協の産物で、本当の音楽とは言えないと主張する音楽家がいます。彼、もしくは彼等の主張は正解です。彼等はPure temperament ( ピュアーテンパーメント - 純正律 )こそ音楽と言っているのです。しかしこのPure temperament 自体は決して新しい考えではありません。昔から多くの音楽家がPure temperament を目指して挫折していたのです。

純正律の歴史は紀元前500年、Pythagoras ( ピタゴラス )の発見に遡ります。そして音楽がP5th ( パーフェクトフィフス - 完全5度 ) をもって協和音としていた時代、また一つの作品が一つのKey ( キー - 調 ) で作られていた時代には、すべての作品が純正律によって演奏されていました。しかし近代になって、多くのModulation ( モジュレイション - 転調 ) が使われるようになると、正しいはずの純正律が大きな障害となったのです。純正律は転調に弱い。Octave ( オクターブ - 8度 ) に12の鍵盤しか持たない Pianoのような楽器では、一つのKey ( キー - 調 ) を純正律に調律すると別のKey ( キー - 調 ) では調律が狂ってしまうからです。これは音の性質の不思議なところで、例えばP5thを完全に合わせることを繰り返すと(P5th上がって P4th下がる)、永遠に新たな音程が登場して、元の音程に戻ることはありません。人間が無限に音程を識別できればという条件付きで音程は無限に存在します。それではどこまで分割すれば人間が満足するのかと言うと、おおよそOctave ( オクターブ - 8度 )の中に53個の鍵盤を用意すれば足りるという研究をした音楽家がいて、実際に楽器を製作して演奏を試みたそうです。

しかし結果は満足な演奏はとうてい不可能ということになり、この楽器は実験の域を出ませんでした。Octave ( オクターブ - 8度 )を12個 の 鍵盤とし、平均律によって調律されるようになったのは、人間の演奏能力と音程認識能力のぎりぎりのせめぎあい、妥協の産物だったというわけです。


さて人間の演奏能力の限界によって Pure temperament が採用されなかったのだとしたら、演奏能力の向上によってPure temperament が復活することは容易に想像がつきます。事実、ごく最近になってPure temperament が注目されてきた背景には、Pure temperament ( ピュアー・テンパーメント - 純正律 )によってもModulation ( モジュレイション - 転調 ) を多用した作品の演奏できるようになったことがあげられます。復活のきっかけはここでもComputer technology ( コンピューターテクノロジー ) 。現代の技術が古典的音程の復活を可能にしたのです。

最後に身体的制約があります。楽器を演奏しようとした時、私達は好むと好まざるとにかかわらず、最も原始的な記憶領域である技能記憶に頼らざるを得ません。技能記憶領域は習慣的に繰り返される身体の動きを記憶して、反射的な運動を可能にしてくれます。優れた Musician ( ミュージシャン - 音楽家 )のTechnique ( テクニック - 技巧 ) はすべて技能記憶と、技能記憶によって反応する筋肉の連携によって作り出されます。

しかし人間の Rhythm ( リズム )感覚が急激に発達した現代では、脳が要求する Rhythm の分解能と、技能記憶に対する筋肉の反射速度に逆転現象が起ってきました。ほんの10年ほど前なら人間が作り出す Rhythm 、それも優れた Musician ( ミュージシャン - 音楽家 )が作り出す Rhythm に違和感を感じることはありませんでした。

ところが最近になって、 Rhythm のほんの僅かの狂いに違和感を感じる若者が出てきました。そして正確な Rhythm への要求はますます加速する傾向にあります。今や16beat (シックスティーンビート )は懐かしさの中に埋没しつつあります。そして32beat ( サオティツービート )が当たり前の世界はもうそこまで来ています。

Rhythm ( リズム )の方向から考えてもHarmony ( ハーモニー ) の方向から考えても、 Sound World のさらなる進化には、 Frequency ( フリクエンシー - 周波数 ) の領域に立ち入らないでは居られないでしょう。今まで技術的制約によって切り捨てられていた Frequency 、もしくは人間的制約によって表現できなかった Frequency が、Digital technology ( デジタルテクノロジー - デジタル技術 ) によって蘇ります。

そうだとすると、これからのSound Creation ( サウンドクリエイション - 音楽創作 ) には Digital technology ( デジタルテクノロジー - デジタル技術 ) が不可欠です。優れた音楽家にとってDigital technology は、より人間的で感覚的な存在になるでしょう。そして私達人類の感覚はさらに進化し、さらに新たな感動を要求し続けることは間違いありません。

音楽には限りが無い。だから面白い。私は、君が本書をきっかけにして偉大なる音楽家として成長し、感動的な作品を発表してくれる日を楽しみにしています。



MusicGateJAPANリンク 音楽サイト検索 - 音楽ニュース - PINGサーバー - 音楽レンタルサーバー - 音楽掲示板 - ライブハウス - 楽器屋サーチ - 音楽スタジオ - 音楽学校ガイド - 音楽留学ガイド - 音楽療法ガイド - 音楽ソフト - バンドメンバー募集 - 音楽業界求人 - 音楽の仕事メール - GarageBand.jp - BandBlog.net - ボーカルレッスン - 作曲と音楽理論 - RSSリーダー - BBS7.com - BlogRing.jp - 検索Seeks.jp スポンサードリンク 音楽学校アムバックス - 音楽教室プロセミナー

Copyright (C) 2005 AMVOX EDUCATE Co., Ltd. Reserved.
このページの全ての権利はアムバックスにあります。従いまして転用・複写 等は一切禁止いたします。