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36. Hybrid structure chord ( ハイブリッド・ストラクチャー・コード - 混成構造和音 ) はさらに変身する
私達、つまり君と Mr. Tone ( ミスタートーン )が、繰り返し確認してきた最も重要なキーワードは、「音楽は自由である」ということでした。音楽にはやってはいけない事は何も無い。どこまでも自由に、自分の好きなように好きな音楽を創れば良い。だれが何と言おうと自由が一番。Noise ( ノイズ - 雑音 )も音楽だし、無秩序でも良い。もちろん、整然と古典的であっても良いし、一定の秩序を保ちながら冒険的であっても良い。どちらの方向を向いていようが、本人の自由であって、もちろん両方を向いても良い。つまり自由ということです。
ところがこの自由というものが、なかなか一筋縄ではいかない代物で、いざ自由になってみると果たしてどこから手を付けたら良いのか、迷いに迷ってしまうのも私達人間の特徴でした。
もちろん、迷う事が人間の特徴ということであれば、人間として迷いも決して恥ずかしいことではないのですが、迷ってばかりでは音楽の創造はできません。そう音楽に限らず「創造は決断」でした。
私達は、そんな自由というキーワードを確認しつつ、 Sound World を冒険しながら、無秩序から秩序を選択し、そして自由に並べ変えて、繊細な感情表現のためには無視することのできない、たくさんの知識を学習してきました。
さらに、これもまたすでに知っている通り、これまでの冒険で発見した膨大な知識も、 Sound World を楽しむための基礎知識に過ぎないことも自覚しました。
本当の楽しみはこれから始まります。これから始まるという「これから」とは、そう私、つまり Mr. Tone ( ミスタートーン )と別れてからという意味です。音楽が自由であるためには、基礎知識にしばられていてはいけません。先輩の助言を待つまでもなく、知識を持たないで旅をすることは、旅の楽しみの80%以上を放棄していることになりますから、知識を持っているに超した事はありません。そこで、これから君が心掛けなければならないことは、自分自身の中での知識の増殖です。「昨日学んだ知識は、今日はもう過去の知識」とまでは言わないまでも、鮮度を失った知識、言い換えると「常識」の中に埋没した情報かもしれません。
多くの知識を修得することで、知識を見分ける目、つまり「見識」が身に付き、さらに推考を重ね鍛練を繰り返す事によって、揺るぎない考え、つまり「胆識」が身に付くと言われています。ここまで来ると人間は本当の自由、つまり心の自由を手に入れることができます。平たく言うと「誰が何を言っても、何が起っても気にならない境地」、壺中天有り、大海に小舟を浮かべて泰然自若、個々を超越した音の世界を追究する音楽家の心境です。
ここまで言い切ると、「ほんとかな?悩んでいるから、迷っているから音楽ができるんじゃないですか?」という声が聞こえてきます。いいでしょう、それもまた音楽、君の自由です。事実、迷って悩んで苦しんで名作を残した音楽家の方が多いのですから。しかしながら本当は、胆識を身に付けてなお迷い苦しむ。悩みの次元の違いであることを謙虚に受け止め、鍛練を繰り返すことが肝要です。
さてここでは、 Hybrid structure chord ( ハイブリッドストラクチャー・コード - 混成構造和音 ) の発展的な使われ方を学習し、自由な発想への橋頭堡を築くことに致しましょう。 Hybrid structure chordとは、 Tension ( テンション - 緊張音 )の Automatically added ( オートマティカリーアディッド - 自動付加 )から Omission ( オミッション - 省略 )を行って得られた次のような Chord ( コード )のことでした。
 1998年現在において、この段階の Harmony ( ハーモニー - 和声 )であれば、音楽先進国のほとんどの人が問題なくConsonance( コンソナンス - 協和音 )として受け入れてくれます。
しかし Hybrid structure chord ( ハイブリッドストラクチャー・コード - 混成構造和音 ) には、 Altered scale system ( オルタードスケール システム - 変化音階系 ) に属する次のような Chord ( コード )もありました。
この段階になると、20世紀もまさに終わろうとしている現代の先進諸国においても、残念ながら Dissonance ( ディゾナンス - 不協和音 )として感じる人々が存在することも確かです。
ところが、現実のミュージックシーンは、保守的な感性の持ち主が何を言おうと、否応無しに冒険的な Sound がCreate ( クリエイト - 創造 ) され、しかも何の問題も無く若者達に支持されています。
冒険的な Sound ( サウンド )が、Computer technologyの発達とともに、加速的に創造されていることは誰もが知っています。しかし、現在のPopsやRockの中で、Computer technology ( コンピューターテクノロジー )とともに用いられている多くの冒険的な Harmony ( ハーモニー - 和声 )も、実は半世紀もの昔に、一人の偉大なJazz pianist ( ジャズピアニスト ) によって多用され、多くの人の心を魅了していたことは忘れられているかも知れません。 Pianist ( ピアニスト ) の名前はTHELONIOUS MONK ( セロニアス・モンク )。この偉大なミュージシャンの業績は、ジャズファンの間ではすでに相当な評価を得ていますが、今後さらに、ジャンルを超えて尊敬しなければならない存在となることでしょう。
冒険的な Harmony ( ハーモニー - 和声 )を作ろうとすると、当然、 Dissonance を強める方向に向かうしかありません。なぜなら、Consonance( コンソナンス - 協和音 )の方向ではすでにあまりにも多くの作品が創られ、したがって冒険的といえる組み立てはなくなっているからです。
Dissonance ( ディゾナンス - 不協和音 )を強くするといっても、無秩序に強くするのであれば、無意味とはいいませんが、あえて学習の必要はありません。そこでここでは、あくまでも秩序ある Dissonance ( ディゾナンス - 不協和音 )の強調、つまり Hybrid structure chord ( ハイブリッドストラクチャーコード - 混成構造和音 ) から発展した Harmony ( ハーモニー - 和声 )について検証することにします。
System ( システム - 組立 )は簡単です。秩序ある Dissonance の強調は Hybrid structure chord の Inversion ( インバージョン - 転回 )によって簡単に得られます。次のうち3と8のように、 2nd interval ( セカンドインターバル - 2度音程 )の上に3rd ( サード - 3度 ) 以上の interval ( インターバル - 音程 )を乗せるSystemは、 Jazz Piano ( ジャズピアノ ) における ad-lib solo ( アドリブ ソロ - 即興独奏 )の Left hand ( レフトハンド - 左手 )による Backing ( バッキング - 伴奏 )に用いられます。また5と9のように 2nd interval のみを取り出すSystem ( システム - 組立 ) は、 ad-lib solo ( アドリブ ソロ - 即興独奏 )の Right hand ( ライトハンド - 右手 )の Phrasing ( フレージング - 楽句手法 )の中で、あたかも一つの Tone( トーン - 音 ) のように用いられます。取り分け5のように #9th ( シャープナインス - 増9度 )とM3rd ( メジャーサード - 長3度 )を同時に発音する方法は、 Piano ( ピアノ ) のように Pitch ( ピッチ - 調音) の固定した楽器で Blue note ( ブルーノート )を表現するための重要な手段となっています。その他は一般的ではありませんが、 Brass section ( ブラスセクション - 管楽器部 )等に用いることによって、 Sound ( サウンド )の中に独特の緊張感を作り出すことができます。
 Hybrid structure chord の Inversion によって、秩序ある Dissonance を作り出す方法は当然すべての Chord quality ( コードクォリティー - 和音特性 )に応用することができます。
次は、 Hybrid structure chord を発展的に用いて合理的な Progression ( プログレッション - 進行 )を行った例です。1と2の Right hand ( ライトハンド - 右手 )の Structure ( ストラクチャー - 構造 )に注目して、実際に Piano ( ピアノ ) で演奏してください。
 Hybrid structure chord ( ハイブリッド・ストラクチャー・コード - 混成構造和音 ) を Drop 2nd ( ドロップセカンド - 第2音下向転回 )にして、Guitar ( ギター ) と同じ(Guitarの実音は8va下) Open position voicing ( オープンポジション ボイシング - 開離和声法 )にすることもできます。 それでは、 Dissonance ( ディゾナンス - 不協和音 )を強調してPhraseを作ってみましょう。
上記の例では、意図的に Avoid note ( アボイドノート - 回避音 )を Suspend ( サスペンド - 掛留 )してさらに Tension ( テンション - 緊張音 )を強めています。
ここまでくると何でもあり。 感覚的に気持ち良ければ、「気持ち悪い後に気持ち良くなるともっと気持ち良い」も含めて何をやっても良いでしょう。しかしここまで冒険をしてきて分かったことは、整然としたSystemの中だけでも斬新な組み立てができるということです。そう、もう止めましょう。Contemporary Music theory ( コンテンポラリーミュージックセオリー - 現代的音楽理論 )を Master ( マスター - 修得 )した君には、もう何も言う必要はないでしょう。ここまで辿り着くのは大変なことです。本当におつかれさま。もうすぐ出口です。 Sound World の未来が見えてきます。そう Sound World を抜け出ると、そこには永遠の未来、限りのないCreative universe ( クリエイティブ・ユニバース - 創造的宇宙 )が広がっています。そして君は新たな冒険に向かって旅を続けるでしょう。
私?私はここでお別れします。ここからは一人で歩いてください。でもこのままお別れするのは少し寂しいので、もう少しつきあってくれますか? Sound World の未来について少しだけ私、そう Mr. Tone ( ミスタートーン )の考えを聞いて下さい。
4beatは8beat?
Beat は2つずつセットになって Rhythm を作ります。そして2つのうちの前のBeatをOn beatと呼び、これはAccent を伴います。また後のBeatをOff beatと呼び、これはAccent を伴いません。もちろん After beat のように意図的に後ろのBeat を強調する場合もありますが、この場合でもBeatが根本的に内包するAccent は変化しません。変化するのは表面的な音量であって、演奏者の中では根本的なOn beatが維持されています。
さて、4分の4拍子である8beatは8分音符が8つで1小節になります。そしてこのうちのOn beatは奇数拍の4つです。4beatはどうでしょうか?同じく4分の4拍子である4beatは4分音符が4つで1小節になります。これを Rhythm の原則に当てはめると、1拍目と3拍目にAccent を付けることになり、私達が楽しんでいる4beatとは違う印象になります。実際の4beatは4拍の全部にAccent を付けることを基本として、さらに4分音符単位の After beat や、4分音符を分割して任意の位置に移動する After beat を表現することによって自由で 感動的な Beat feelingを作り出します。そうだとすると4beatは、On beatとOff beatが2つでセットになる Rhythm の原則から外れます。
 そうです。実は4beatの面白さは、1つの名称に限定できないところにあるのです。4beatの多くはDivided beat(連音符)です。そして1拍は3連符、4連符、5連符、6連符、7連符等々に多彩に分割されます。ここでもう一度考えなければならないことは、このDivided beatは一体何を分割したかということです。ほとんどの場合の分割は、8分音符が2つセットになったOff beat部分が分割されます。少々わかり難いので下記の楽譜を参照してください。したがってこの場合基本となるBeatは8beatになり、4beatという名称は不自然になります。
 時には2分割の場合もあり、この場合は8beatそのものになります。それでは4beatが4beatの場合はあるのでしょうか?これが時々存在するので話は複雑です。しかし裏返して考えると、8beatの作品に4beatが混在することは。特別の意図をもって混在させる時以外にはありません。それに引き換え4beatは、ほとんどが8beatを基本とした組み立ての場合でも、ごく自然に本来の4beatを持ち込むことができます。 し
たがって私達が普段演奏している4beatは、「4beatを持ち込むことが可能なBeat」と言える程度に8beatであることを確認しておく必要があります。
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