音楽理論 講座
作曲・編曲のための
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32. 4th interval build ( フォースインターバルビルド - 4度堆積)の断層

今まで私達は、3rd interval build ( サードインターバルビルド - 3度堆積 )、つまり3度堆積の断層によって支えられた大地を歩いてきました。そ して極めて美しい自然と、健康的で安全な Harmony ( ハーモニー )を満喫してきました。しかし広大な Sound Worldには、それとは別の堆積によって支えられた不安定な大地も存在します。それが4度堆積の断層によって支えられている4th interval build ( フォースインターバルビルド - 4度堆積)の大地です。この大地は一見したところとても無機質で、およそ人間の生活できる世界ではないようにも見えます。しかし、複雑な人間関係に疲れた現代人にはむしろこの無機質な感覚が安らぎになるかもしれません。

さて4th interval build ( フォースインターバルビルド - 4度堆積)は、 本来的にはP4th interval build ( パーフェクトフォースインターバルビルド - 完全4度堆積)と+4th P4th interval build ( オーギュメントフォース パーフェクトフォース インターバルビルド - 増4度完全4度堆積)の2種類ですが、3rd interval build ( サードインターバルビルド - 3度堆積 )の世界から派生して、3rd interval build によって得られた Chord ( コード - 和音 )を、任意に転回して擬似的な4th interval build を作る考え方もありますから話は複雑です。

つまりこの世界は、昔からさんざん使われているにもかかわらず、統一的な見解の確定していない分野とも言えるでしょう。それだけに研究のしがいもありますが、少しばかり冷静になって考えてみると、長い間放って置かれたということは、人間の本来的な感性には不必要な存在なのかも知れません。しかしさらに翻って思考を巡らすと、不必要であるがゆえに魅力的という判断もあります。まあ、そんな禅問答はどちらでも良いとしても、RockやPopsでは重要なポジションを占めていますから、私達はしっかりと研究することにいたしましょう。

はじめにP4th interval build の研究をします。

P4th interval build ( パーフェクトフォースインターバルビルド - 完全4度堆積)とはその名のとおり、次のように完全4度を積み重ねた和音です。


どこかで聴いたことがありますね。そうScience fiction (サイエンスフィクション)にはたびたび登場する Sound ( サウンド )です。
Strings orchestra( ストリングスオーケストラ )の音色にするともっとハッキリします。

ところで4th interval build は基本的に Chord name ( コードネーム- 和音記号 ) では表現しません。もしもどうしても Chord ( コード - 和音 )による表記が必要な時は、譜例のように記入します。C4.2、C4.3は、それぞれCを Root ( ルート - 根音 ) としてP4thを2声で重ねる場合と、3声で重ねる場合を表現しています。したがって、C4.6はCを Root ( ルート - 根音 ) としてP4thを6声で重ねます。しかしこの方法は Mr. Tone 独自の書き方ですから、一般の使用にあたっては事前に説明する必要があります。C4.2をCQ2、C4.3をCQ3と表記する音楽家もいますが、これも事前説明が必要であることには変わりがありません。つまり4th interval build ( フォースインターバルビルド - 4度堆積)の Chord ( コード - 和音 )表記は確定していないので、君が独自の方法を編み出したとしても今のところ支障はないでしょう。

P4th interval build については、当たり前のことをあえて言う必要があるでしょう。つまりP4th interval build は完全4度堆積でなければ意味が無いということです。例えばC4.4は Inversion ( インバージョン - 転回 )にしてしまえば単なるCm7にもなります。しかし、そこをあえてP4th interval build に積み重ねて、4度堆積の独特のFeelingを楽しむところに意味があるのです。

当然のことを確認しておきましょう。C4.4以上はinversionによって次のような3度堆積を含んだ Chord ( コード - 和音 )になります。


余談ですが、C4.5以上は、最高音を Root にして構成音を再構築すると次のような3rd interval build の Chord になります。


再構築によって3rd interval build の Chord になるなら、さらにもう一度逆転の発想をして、3rd interval build の Chord を Omit ( オミット - 省略 )もしくはinvertして、次の Score のように4th interval build 的な Sound にすることも可能ということになります。


この例からもわかるとおり、4th interval build ( フォースインターバルビルド - 4度堆積)にも3rd interval build ( サードインターバルビルド - 3度堆積 )と同じように、多岐にわたる可能性を秘めています。もしかしたら4th interval build の方がより多くの可能性を持っているのかも知れません。
例えば次のような4th interval build には、いったいどれだけの可能性があるでしょうか?


この Chord をC7sus4と見て、Mixolydian ( ミクソリディアン )しか思い浮かばないとしたら失格です。実は、この単純な4th interval build には次の8種類の選択肢が隠されています。





8つの選択肢のうち、Rockの中で最も使用頻度の高いDorian ( ドリアン )を使って簡単な Phrase ( フレーズ - 楽句 ) を創ってみましょう。
Dorian が好まれる理由は、Dorian が Blue note scale ( ブルーノートスケール ) 内の一つと同じなので、容易にRock feelingを持ち込めるところにあります。この4th interval build の Sound を持ちながら Blues feeling ( ブルース フィーリング - ブルース感覚 )を内在した Sound はなかなか誘惑的ですね。


midi


さて、対応する Scale が8つもあるということは、それだけの自由を持っているということでもあります。つまりC4.3の Chord の上には、次のように自由奔放な Phrase を繰り広げることも可能です。


midi




しかしこの自由度は、音を重ねる度に少なくなって行きますが、これは言うまでもありませんね。一応 Score で確認しておきましょう。


C4.4に対応する Scale



C4.5に対応する Scale




C4.6に対応する Scale




そして最後にLocrianが残ります。
C4.7に対応する Scale


さんざん解説しておいてなんですが、こんなことを覚えていったい何の役に立つのでしょう?
そうですね、ここまで来ると普段は殆ど必要無いかも知れません。ところが知っておくとイザという時に大いに役立つことは間違いないでしょう。しかしそれがどんな時かは Mr. Tone としても予測がつきません。
まあだいたい、世の中のほとんどの情報や知識は、たとえ知らなくたって生きて行く上での支障はありません。そんなことは分かった上で、たくさんの情報や知識を持っている人間が、より有意義な人生を謳歌していることも事実です。
次の分析はもう少し実践に役立ちそうです。つまり今度は4th interval build ( フォースインターバルビルド - 4度堆積)を3rd interval build ( サードインターバルビルド - 3度堆積 )からの省略もしくは変化と捕らえて、3度堆積の和声を4度堆積的に使う方法です。
はじめに4th interval build の元になった3rd interval build を探ります。 Score で研究しましょう。





検証の結果、表面上は4th interval build である Sound も、その構成音のHalf step下の Tone以外の Toneを Root ( ルート - 根音 ) に持った3rd interval build Chord からの Omission ( オミッション - 省略 )のケースが多いことがわかります。したがって、4th interval build の活用に当たっては、元になった3rd interval build Chord を特定するか、もしくは意図的に特定しないことを明確にするか、もしくは幾つかのケースに限定することを明確に認識する必要がありそうです。
元になった Chord がわかったところでさらに発展して、たとえばCを Root にした時の、4th interval build の応用を検証します。





4th interval build ( フォースインターバルビルド - 4度堆積) の独特の Sound ( サウンド )とシンプルな Chord progression( コード プログレッション - 和音進行 ) を組み合わせてみましょう。ここでは最初から最後まで1つの4th interval buildで押し通してみました。 4th interval build の可能性のヒントです。


midi




次に+4th P4th interval build ( オーギュメントフォース パーフェクトフォース インターバルビルド - 増4度完全4度堆積)について検討しましょう。


+4th P4th interval build ( オーギュメントフォース パーフェクトフォース インターバルビルド - 増4度完全4度堆積)は、P4th interval build ( パーフェクトフォースインターバルビルド - 完全4度堆積)のように未来的印象を表現するために用いられ、 Chord ( コード - 和音 )としてそのまま使用されることは殆どありません。しかし3rd interval build ( サードインターバルビルド - 3度堆積 ) Chord ( コード - 和音 )の Omission ( オミッション - 省略 )としては頻繁に活用され、その使用頻度はP4th interval build よりも多いくらいです。
したがって、元になる3rd interval build をよりしっかりと研究しておく必要があります。


ここでもCを Root とした時に使用可能な+4th P4th interval build を見ておきましょう。


中でもRock feelingにとって、(#9b13)からの Omission としての+4th P4th interval build ( オーギュメントフォース パーフェクトフォース インターバルビルド - 増4度完全4度堆積)は重要です。
それは Blue note ( ブルーノート ) としての(#9)を表現しながら、 Blues feeling ( ブルース フィーリング - ブルース感覚 )にとって当面不必要な(b13)を Omitする、つぎのような最も合理的な Voicing ( ボイシング - 声部作成 )だからです。


+4th P4th interval build をR&Rに応用してみましょう。


midi


4th interval build ( フォースインターバルビルド - 4度堆積)は、次のように3rd interval build ( サードインターバルビルド - 3度堆積 )のinversionとして使われることも多々あります。
この場合には、和音構成の一部に3rd interval build を伴いながら、全体としては4th interval build の緊張感を保つように積み重ねると良いでしょう。




なんだ、ただ Tension chord ( テンションコード - 緊張和音 )をinversionしただけじゃないか!という声が聞こえてきます。
そうです。その通りです。 Tension chord ( テンションコード - 緊張和音 )をinversionして4th interval build 的な積み重ねに変更することによって、独特の緊張感を作り出そうとする試みです。このような試みには規則はありません。私達も私達なりの4th interval build soundを研究して活用してみましょう。

さて、そろそろ4th interval build ( フォースインターバルビルド - 4度堆積)の断層ともお別れです。次は Omission ( オミッション - 省略 )とPentatonic ( ペンタトニック - 5音 )の世界。だんだん出口に近付いて来ました。

そうそう忘れていました。4th interval build の Sound を創る時は、3rd interval build の Sound を創る時以上に感覚を優先して創ることを心掛けましょう。4th interval build の独特な響きに魅了されて、我を忘れると危険です。4th interval build は Sound Worldの一部分にしか過ぎませんし、画期的な世界でもありません。 Sound Worldはやはり、3rd interval build を中心として、時に4th interval build を持ち込むことを考えることを勧めます。久しぶりに繰り返しますが、要するに Proportion ( プロポーション )が大切というわけです。


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