30. Harmonization ( ハーモニゼイション )の発展
ある一つの手法を手にした時、人は手にいれてしまった手法に囚われがちです。ある一つの地位を手にいれた時、人は手にいれてしまった地位にこだわりがちです。手法にしろ地位にしろ、所詮は大きな目標を達成するための手段に過ぎなかったことを忘れて・・・・。この重大な勘違いは、不思議なことに音楽の世界でも発生するようです。言うまでもなく、 ここまで学習してきた目的は、より多くの感動を呼び起こす音楽を創造するためです。ここまで学習してきた知識を発表するためでもなく、ましてやここまでの知識に拘束されるためでは断じてありません。知識は未来に向かって、さらに進歩を繰り返すためのきっかけに過ぎないのです。
ここまでの知識は確かに魅力的でもあり、また多いに活用する価値も持っています。したがって、私、つまり Mr. Tone としても、ここで得た知識を有効利用してくれる才能が多ければ多いほど嬉しいことも事実です。 しかし欲を言えば、ここまで来たからには、すでに手にいれた手法を、自分自身の考えでさらに発展させて欲しいと思います。 Sound Worldはまだまだ続きます。
さて、これから解説するHarmonization ( ハーモニゼイション )は、直前の Chapterを理解していれば簡単にわかります。もしかしたら、解説の必要がないかもしれません。君がもし気がついていたとしたら、 Sound Worldで活躍するにふさわしい人だと断言できます。なぜなら Musician は、「1を聞いて10を知る」ような人間でなければ勤まらないからです。もし気付かなかったとしても、君がまだ10代なら悲観することはありません。「1を聞いて10を知る能力」は訓練次第で身につきます。方法は簡単で、何事も鵜呑みにしないで、すべての物事を発展的に考えるようにすれば良いのです。そして残念ながら、もし君がもう20代の半ばも過ぎてきて、なおかつ気付かないでいたとしたら、 Musician への道はチョット考えた方が 良いでしょう。もっともプロになるのを考えた方が良いと言っているだけですから、趣味としての音楽をやめる必要は毛頭ありません。
それでは Tension ( テンション )に対する Approach tone ( アプローチ トーン ) のHarmonization ( ハーモニゼイション )です。
前の Chapterでは、 Melody ( メロディー )のCenter Tone ( センタートーン - 中心音 ) が Chord tone ( コードトーン ) の場合の Approach (アプローチ )について研究しました。そこでここでは、さらに発展して、 Melody ( メロディー )のCenterが Tension ( テンション )の場合の Approach と、そのHarmonization を研究します。そうは言ってもここで扱うシステムが、 Chord tone をCenterとして展開した前 Chapterと、まったく同じであることは 先 ほどもお話しした通りです。
最初は9thをCenter Tone とした Approach tone ( アプローチトーン ) のHarmonization を検証しましょう。
9thに対して Scale ( スケール - ) で Approach (アプローチ )する時は Scale approach ( スケールアプローチ ) 、Half step下からChromaticに Approach (アプローチ )する時はChromatic approach ( クロマチックアプローチ - 半音装飾隣接 )、Half step上からChromaticに Approach (アプローチ )する時はAltered dominant approach ( オルタードドミナントアプローチ)を選択します。もちろんChromatic approach ( クロマチック アプローチ - 半音装飾隣接 )はAlmightyですから、Half step上からのChromatic approach ( クロマチックアプローチ - 半音装飾隣接 )にも使えます。
またここでも、 Approach chord ( アプローチコード )にTri Tone ( トライトーン - 音3全音) が出来てしまう場合には、Tri Tone を作らない Chord に変更します。
 13thに対して Approach (アプローチ )する場合も、9thの時と同じ考えかたでHarmonization ( ハーモニゼイション )を行います。Altered dominant approach ( オルタードドミナント アプローチ)を使える場所が2箇所になることと、Diminished approach ( ディミニッシュ アプローチ ) が登場することを確認し検証しておきましょう。
 11thに対しての Approach では、 Scale approach と Chromatic approach ( クロマチック アプローチ )だけになります。また、全音上からの Scale approach ( スケールアプローチ ) では、Tri Tone ( トライトーン - 音3全音) や Scale tone tension( スケールトーン テンション - 音階上の緊張音 )の関係で、結果的に Base chord ( ベースコード - 基本和音 ) を Approach chord とすることになります。
 稀に# 11thをCenter Tone ( センタートーン - 中心音 ) とした Approach にも遭遇するでしょう。この時にも同じ考え方を拡大して対処することが可能です。しかし# 11thをCenter Tone に持った Melody は、緊張感が大きくなり過ぎたり、 Chord function ( コードファンクション - 和音機能 ) が不明瞭になったりするので、最終的に欲しい印象をよく考えて、本当に必要な場合だけ使用するようにしましょう。
 Sound Worldはどんどん自由になって来ました。これは最初にお約束した通りですね。 Sound Worldだけでなく、私達はすべての世界から自由になれます。ただ自由になるためには、多少の知識を持って、少しばかりの Rule (ルール - 規則 )を守る必要があるだけです。その結果手に入れることができた自由の喜びから比べたら、知識のための冒険なんてものは大した苦労ではありませんよね。
そんなわけで、次の Chapterでは飛躍的に自由になる方法を研究します。
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