音楽理論 講座
作曲・編曲のための
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28. Blues phrasing ( ブルース フレージング )の誘惑

Bluesは生まれた時からBluesで、どこまで行ってもBluesです。あたりまえですが大事です。それでは何処がBluesかというと、 Blues chord ( ブルースコード )と Blue note ( ブルーノート ) と Blue note scale ( ブルーノートスケール ) の3つのBlueによって出来ている音楽がBluesです。時々気分だけBlueになって、自分はブルースだと思っている人を見かけますが、彼はただの暗い人ですから気にしないでください。

3つのBlueのうち、 Phrase ( フレーズ - 楽句 ) を創る上で最も重要な要素は Blue note ( ブルーノート ) です。 Blue note ( ブルーノート ) さえ押えて置けば Blues feeling ( ブルースフィーリング - ブルース感覚 )は手に入ったも同然です。極論すれば、この段階で大切なことは余計なことをしないことです。
次の Phrasing ( フレージング - 楽句手法 )を参考にしてください。余計なことを一切排除して、徹底的に Blue note ( ブルーノート ) で攻めていますね。
これは決して手抜きなんかではありません。もし君が、本格的なRock'n'Roll ( ロックンロール ) や、本物の Rhythm &Blues( リズムアンドブルース )を創りたかったら、これも極論ですが、 Melody ( メロディー - 旋律 )を創らないことです。動きたくなる気持ちを出来る限り抑えて、 Rhythm ( リズム )とMessage ( メセージ ) と Blue note ( ブルーノート ) に身を任せましょう。

Blues phrasing の基本



b3rd(#9thでも良い)の Blues feeling ( ブルースフィーリング - ブルース感覚 )を身体中に浴びたところで、Blues phrasing ( ブルース フレージング )を研究することにしましょう。Blues phrasing ( ブルース フレージング )の面白さは、何処までも Blue note scale ( ブルーノートスケール ) にこだわりながら、 Chord ( コード - 和音 )、つまり Harmony ( ハーモニー - 和声 )との整合性を見失わないところにあります。言うは易し行うは難しで、これを即興でこなせるようになるには相当のトレーニングが必要でしょう。そうは言っても、多くの Musician( ミュージシャン - 音楽家 )が Chord progression( コード プログレッション - 和音進行 ) に対応する Phrase ( フレーズ - 楽句 ) を記憶することで対処していますから、本当の即興演奏が出来なくても悲観する必要はありません。

しかしながら、これからの例を研究するに当たっては、 Chord ( コード - 和音 )に対する Phrase ( フレーズ - 楽句 ) の位置、つまり Phrase ( フレーズ - 楽句 ) を構成する Tone ( トーン - 音 ) の Chord ( コード - 和音 )に対する意味をゆっくりと検証してください。 Blue note ( ブルーノート ) には丸印を付けておきます。

Tension ( テンション - 緊張音 )、Chromatic approach ( クロマチック アプローチ - 半音装飾隣接 )、 Blue note ( ブルーノート ) 、 Harmonize ( ハーモナイズ - 和声構築 )による Approach (アプローチ - 装飾隣接 )の応用など、全ての Tone ( トーン - 音 ) を分析的に説明することができます。Enharmonic tone ( エンハーモニックトーン - 異名同音 ) に注意してください。例えばD#はEbに読み替えて、 Blue note ( ブルーノート ) として認識します。Enharmonic tone ( エンハーモニックトーン - 異名同音 )は出来るだけAccidental ( アクシデンタル - 臨時記号 )を少なくする目的で使用され、慣れてくるとこの方が読みやすくなります。


Blues phrasing 1


それにしてもAccidental ( アクシデンタル - 臨時記号 )が多くて複雑に見えますね。しかし一見複雑に見える Phrase ( フレーズ - 楽句 ) も、分析的に検証してみると実にシンプルです。実際に、 Phrase ( フレーズ - 楽句 ) はすべて Blue note scale ( ブルーノートスケール ) だけで構成されています。つまり Chord ( コード - 和音 )がどう変化しても、使われている Scale ( スケール - 音階 ) は1つの Blue note scale ( ブルーノートスケール ) だけというわけです。

同じ Blue note scale ( ブルーノートスケール ) を一貫して保持しながら、 Chord ( コード - 和音 )によってCenter Tone ( トーン - 音 ) が変化して、Center Tone ( トーン - 音 ) の変化によって Approach (アプローチ - 装飾隣接 )の仕方も変化する面白さを丁寧に解明してください。
別の例でも、 Blues chord ( ブルースコード ) と Phrase ( フレーズ - 楽句 ) の関係を分析してみましょう。今度は Blue note ( ブルーノート ) の印は付けませんから、自分で確認してください。


Blues phrasing 2


細かい Divided beat ( デバイディッドビート - 連符 ) が使われていますが、 Melody ( メロディー - 旋律 )に与えられる Rhythm ( リズム )も Blues feeling ( ブルース フィーリング - ブルース感覚 ) の重要な要素です。特に4beatの面白さは、Beatを多彩に Divided beat ( デバイディッドビート - 連符 ) して、基本となるBeatを、あたかも無視するかのように複合的な Rhythm ( リズム )を創り、独特の緊張感を楽しむところにあります。

楽譜にするととても難しそうですが、実際の Session ( セッション )では、このような Phrase ( フレーズ - 楽句 ) もより感覚的に創造されます。 Musician( ミュージシャン - 音楽家 )は具体的な Divided beat ( デバイディッドビート - 連符 ) の全てに渡って意識しているわけではありません。 Phrase ( フレーズ - 楽句 ) に与えられる Rhythm ( リズム )は、Groove ( グルーブ )が作り出すTimeを感じながら無意識に吐き出されていきます。もちろん、すべてが無意識というわけではありません。意識と無意識が交錯して緊張感が生まれてくるのです。

Blues phrasing 3



次は16beatに応用した例です。16beatになると無理にDivided beat ( デバイディッドビート - 連符 )を持ち込まなくても、Syncopationだけで気持ち良くなるから不思議です。もちろん、16beatにさらに Divided beat ( デバイディッドビート - 連符 ) を取り入れても面白いでしょう。

Blues phrasing 4



最後にKeyをかえて研究しましょう。Keyが変わるとただでさえ複雑に思えていた楽譜が、さらになおさら複雑に感じます。しかし、 Phrase ( フレーズ - 楽句 ) の創り方はKey of Cの時とまったく同じですから、すべてのKeyの Blue note scale ( ブルーノート スケール ) をマスターしてしまえば、簡単とは言えないまでも、怖がることはありません。

Blues phrasing 5



Blues feeling ( ブルースフィーリング - ブルース感覚 )を自分のものにするためには、四六時中ad-lib ( アドリブ - 即興演奏 )をすると良いでしょう。始めは楽器に向かってゆっくりと Phrase ( フレーズ - 楽句 ) を創りながら。わかってきたら、歩く時にもScatして歩くぐらいでなければ、  Musician( ミュージシャン - 音楽家 )としての将来を保証することはできません。Scatと言っても、必ずしも声を出す必要はなくて、頭の中だけで Phrasing ( フレージング - 楽句手法 )を楽しむことができれば勝ったようなものです。

さてここで Mr. Tone ( ミスタートーン ) からの警告です。Bluesの湖で溺れないように注意しましょう。実はBluesには危険な落し穴があります。それは他の多くの音楽と比較して「聴いてる人より弾いてる人の方が100倍気持ちが良い」という恐るべき事実です。それにしても弾いてる人は本当に良い気持ちになれるので、自分が気持ち良ければそれで良し、と考えている人には最適でしょう。しかし音楽をより大きく捕えて、音楽を通して何かを伝えようとするなら、 Blues feeling ( ブルース フィーリング - ブルース感覚 )を取り入れながらも、 Sound World ( サウンド ワールド )の全部を自由に飛び回ることを勧めます。 特効薬のような Blue note ( ブルーノート ) も、使いすぎると Sound ( サウンド - 音響 )全体を破壊することにつながってしまいます。快楽への誘惑にはくれぐれもご注意を!

次は Blues feeling ( ブルース フィーリング - ブルース感覚 )の誘惑の渓谷を頂上から眺めながら、Harmonization ( ハーモニゼイション - 和声付け )の奇蹟へと歩を進めましょう。


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