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25. Function ( ファンクション - 機能 ) 山脈の全貌
「 Harmony ( ハーモニー - 和声 )協和国-上級者島」にた どり着いた私たちは、 Sound World ( サウンド ワールド )のあまりの自由な世界に驚きました。ところが、これから先はもっと自由になって行きます。これ以上自由になっていったいどうしたら良いのかと言われても、実は Sound World ( サウンド ワールド )で禁止されている事はほんの少ししかありません。
マテよ、そうだとしたら禁止事項を先に覚えてしまえば、こんなに苦労して冒険する必要はなかったのでは、との疑問が脳裏をよぎりませんか?
しかし思い出してください。私たちは最初何一つ知りませんでした。やって良いことと、やってはいけないことを、明確に識別する手がかりさえ持っていなかったのです。しかも Tone ( トーン - 音 ) の役割が、刻々と変化してしまうのですから、1小節先を見分けることすら心もとなかったはずです。
行って良いことと言うよりも、積極的に行うべきことを積み上げて来たからこそ、私たちは今、ほんの少しのやっては行けないことを、はっきりと認識することが出来るようになれました。「知識は人を自由にする」という世の中の常識は Sound World ( サウンド ワールド )にも適用出来そうです。 さて、そうこうしているうちにFunction 山脈が見えてきました。初心者島の山脈も綺麗でしたが、ここ上級者島の山脈は格別です。全ての Tone ( トーン - 音 ) が3つのFunction ( ファンクション - 機能 )に集約されて、あらゆる Chord ( コード - 和音 ) function を明確に規定することによって、整然としてかつ大胆な Chord progression( コード プログレッション - 和音進行 ) を導き出してくれるのです。
Function ( ファンクション - 機能 )山脈の山々を如何にして分類し、私たちが理解し易い方法で識別するのか?そのためには、もう一度すべての Tone ( トーン - 音 ) を確認するところから始めましょう。そう、Chromatic scale ( クロマチックスケール - 半音階 )の再確認です。
ここにChromatic scale ( クロマチックスケール - 半音階 )があります。君はこのChromatic scale ( クロマチックスケール - 半音階 )を上向する時と下降する時では、どちらが滑らかな感じがしますか?微妙な違いを聴き分けてください。

どうですか?下降の方がより滑らかではありませんか。上向には多少の抵抗感があります。もしかしたら、これにはGravitation ( 引力)が関係しているのかも知れませんが、この説には Mr. Tone ( ミスタートーン ) として責任を持つことは出来ません。何故なら上向することによって、より自然な印象をつくる Interval ( インターバル - 音程 ) の存在を知っているからです。しかし、少なくともChromatic scale ( クロマチックスケール - 半音階 )に関する限り、ほとんどの人にとって下降の方がより滑らかだったはずです。そしてこのことがFunction ( ファンクション - 機能 ) 山脈の全貌を解明する重要な手がかりとなります。 12の Tone ( トーン - 音 ) のすべてをFunction ( ファンクション - 機能 )に分けるという話をすると、Diatonic scale Tone ( トーン - 音 ) に付けられた、次のような名称を思い出します。しかし、予め言っておくと、次のようなネーミングは、いたずらに混乱を来す元になるので、名称の存在だけを確認して忘れてしまいましょう。
 前にも言った通り、Function ( ファンクション - 機能 )は3つに集約できます。つまり Tonic (トニック - 主和音 ), Subdominant (サブドミナント - 下属和音 ), Dominant ( ドミナント - 属和音 )の3つです。 ここでまた、 Subdominant minor (サブドミナントマイナー - 下属短和音 )はどうするのかと言った疑問が発生しますが、この事は直に解決しますから、今のところは忘れておきましょう。もしかすると永遠に忘れても良いのかもしれません。
先を急ぎましょう。Chromatic scale ( クロマチックスケール - 半音階 )を構成している Tone ( トーン - 音 ) を、3つのFunction ( ファンクション - 機能 )に分類してみましょう。次の例は、Key of C、つまりCを Tonic (トニック - 主和音 )とした時の分類で、 Keyが変われば勿論全体が相対的に変化します。
 見事にT,S,Dと並びましたね。もちろんTは Tonic (トニック - 主和音 )、Sは Subdominant (サブドミナント - 下属和音 )、Dは Dominant ( ドミナント - 属和音 )の略号です。 最も自然なFunction ( ファンクション - 機能 )の進行はT→S→D→Tの順でしたから、Chromatic scale ( クロマチックスケール - 半音階 )の下降は Functional motion( ファンクショナル - 機能的進行 )としても最も自然な進行をしてる事になります。
Cを Tonic (トニック - 主和音 )とした時に、Fが Subdominant (サブドミナント - 下属和音 )で、Gが Dominant ( ドミナント - 属和音 )であることは既に確認済みで、誰もが異論の無いところです。DbがGのSubstitute tone ( サブスティテュートトーン - 代理音 ) で Dominant ( ドミナント - 属和音 )というもの良いでしょう。そうだとすると、GbはCのSubstitute tone ( サブスティテュートトーン - 代理音 )で Tonic (トニック - 主和音 )、BはFのSubstitute tone ( サブスティテュートトーン - 代理音 )で Subdominant (サブドミナント - 下属和音 )とすることが出来るでしょう。
これで Octave ( オクターブ - 8度 )の12の Tone ( トーン - 音 ) のうち、6つの Tone ( トーン - 音 ) のFunction ( ファンクション - 機能 )について、うすうす見当がついてきました。
しかしまだ半分も残っています。何かもっと分かりやすい分類方法は無いものでしょうか。いやいや、それがあるんですね! Function 山脈をヨーク見渡してください。 Chord progression ( コードプログレッション - 和音進行 )の極意が見えてきます。
Function ( ファンクション - 機能 )山脈は骨格となる4つの Chord qulity ( コードクォリティー - 和音特性 ) が12 Tone ( トーン - 音 ) 分重なって出来ています。全体像を表にして、次のようにFunction ( ファンクション - 機能 )の確定しているところを埋めてみましょう。

次に勘を働かせて、残りのFunction ( ファンクション - 機能 )を推理してみましょう。例えばF7とFm7が両方ともSの可能性があるなら、Dm7がSであるところから推論してD7もSではないのか。そうだとしたらD7のSubstituteであるAb7はやはりSの可能性が高いといった具合にです。途中経過を表で見てみましょう。

少しずつ全体が見えてきました。この辺で「百聞は一見に如かず」と言うことで答えを発表しましょう。 それは気が抜ける位に単純な結果です。しかしこの単純な表がこれから創作活動を行う時の強い味方になってくれます。 この表を使って君は、最も滑らかな進行や最も意外性の高い進行、そしてもちろんその中間に位置する進行も瞬時に判断し活用することができるようになります。完成した表を確認してから、表の使い方と、この理論の有効性について解説しましょう。

Dominant 7th ( ドミナントセブンス - 属7和音 )についてはこの表をそのまま運用して、最高にシブイBluesを作ることができます。因みに「シブイ」とはミュージシャン言葉で「カッコイイ」とか「大人っぽい」とか「センスが良い」とかといった意味の全部を含んだ言葉です。君はまさか今だに「 Dominant 7th が来たら、それはVだから、何時でも Dominant ( ドミナント - 属和音 )じゃないか?」なんて考えていないでしょうね?確かに初心者島ではそうでした。しかしここはもう上級者島です。 Dominant 7th ( ドミナントセブンス - 属7和音 ) はIVにも I にも変身します。
Bluesについては、次の「 Blues feeling ( ブルース フィーリング - ブルース感覚 )の風の渓谷 」の Chapter ( チャプター- 章 )で 解説しますが、ここでは予習のつもりで Blues chord ( ブルースコード )の基本型と、Function chart( ファンクション チャート - 機能表 ) による Chord change( コードチェンジ - 和音変更 ) を見ておきましょう。

Blues chord ( ブルースコード )のFundamental rule ( ファンダメンタル ルール - 原則 ) は、1st bars ( 1st バース - 1小節目 )のFunction ( ファンクション - 機能 )をT、5th bars ( 5thバース - 5小節目 )をS、7th bars ( 7th バース - 7小節目 )をT、9th bars ( 9thバース - 9小節目 )をD、 11th bars ( 11th バース - 11小節目 )をTとして、この12barsの Chord progression( コード プログレッション - 和音進行 ) をキープしながら、 Chord change( コードチェンジ - 和音変更 ) をすることです。 この場合、 Chord progression( コード プログレッション - 和音進行 ) において守るべき要素は Chord ( コード - 和音 ) functionです。この Score ( スコアー - 楽譜) で10th bars がSのF7になっているのは、多くの Blues chord ( ブルースコード ) がこの形式を採用しているので、印象が自然になるようにここでも採用しました。しかし実際の創作では必ずしも10th bars をSにする必要はありません。
それでは、ruleにしたがって Chord change( コードチェンジ - 和音変更 ) をしてみましょう。

ほんの少し Chord change( コードチェンジ - 和音変更 ) をしただけで新鮮なBluesになりました。 もう一つだけ例をみておきましょう。
 ruleにしたがって、いろいろと実験をすると面白いでしょう。 次に2つのFunction ( ファンクション - 機能 )を持つ Chord ( コード - 和音 )、そうminor 7th ( マイナーセブンス - 短7和音 ) と Half diminished 7th ( ハーフディミニッショドセブンス - 減5短7和音 )です。 なぜFunction ( ファンクション - 機能 )を2つ持つのかというと、3rdがm3rdに変化したことによってTri Tone ( トライトーン - 音3全音) が消滅して、元のFunction ( ファンクション - 機能 ) 以外のFunction ( ファンクション - 機能 )を持った Tone ( トーン - 音 ) を Root ( ルート - 根音 ) に持つことが出来るようになったからです。 そうは言っても分かりにくいので、 Score ( スコアー - 楽譜)で確認しながら検証してみましょう。

Score ( スコアー - 楽譜)からわかるように、7th chord は SubstituteをしてもFunction ( ファンクション - 機能 )の変更は起こりません。
ところがm7th chordの場合はSubstituteによってFunction が変化します。このSubstituteによるFunction の変化によって、一つのchordに2つFunction ( ファンクション - 機能 )が生まれます。
このことをはっきりと理解するには、人間が自然に持っている音楽的な能力について復習する必要があるでしょう。人はある Chord ( コード - 和音 )を聴いたときに、その Chord ( コード - 和音 )の構成音だけを感じているわけではありません。
彼の頭の中では、その Chord ( コード - 和音 )の Tension ( テンション - 緊張音 )も感じています。個人差があることは言うまでもありませんが、少なくとも、実際に演奏された以上の Tone ( トーン - 音 ) が頭の中で広がっています。この事は、音楽教育を特に受けていない人に、ある Chord ( コード - 和音 )から Melody ( メロディー - 旋律 )を発想して貰うような実験をしてみると良く分かります。彼は、上手くとまでは言えないまでも、 Tension resolve ( テンションリゾルブ - 緊張音からの解決 ) や Approach (アプローチ - 装飾隣接 )を試みようとするでしょう。
この自然に備わった能力は、低音部においても活躍しています。つまり、ある Chord ( コード - 和音 )を聴いたとき、実際に鳴っている Root ( ルート - 根音 )のさらに下に、設定可能な仮想の Root ( ルート - 根音 )を感じる能力です。例えば人は、Dm7を聴いた時、意識はできないとしても、仮想 Root ( ルート - 根音 )のGを感じています。
このように Chord ( コード - 和音 ) functionは、人間の特性から発生したものですから、Function ( ファンクション - 機能 ) に逆らった Chord progression( コード プログレッション - 和音進行 ) は人間にとって苦痛です。しかし、苦痛をも楽しんでしまうという、人間のもう一つの特性もありますから、最終的な選択は個人の自由です。
さて、m7の2つのFunction ( ファンクション - 機能 )を有効利用した典型的な例を紹介しましょう。あまりにも有名なこの Chord progression( コード プログレッション - 和音進行 ) は、循環コードという特別なアダナが付けられるほどポピュラーですが、その合理的な構造によって、おそらく将来に渡っても名曲を乗せて行くでしょう。もうわかりましたね。そう、アレです。あの単純な Chord progression( コード プログレッション - 和音進行 ) こそ、良く検証する必要があったのです。

I -VI-IV -V とI -VI -II -V は、どちらもm7のFunction ( ファンクション - 機能 )によって自然な進行になっています。ちなみにIVを使うかIIを使うかは、当然 Melody ( メロディー - 旋律 )によって選択されます。
さて、もう少し上級の活用方法を検討してみましょう。本来であれば、ここから先は自分で考えなさいと言いたいところですが、今回もいつものように特別に、面白い例を紹介しましょう。

どうですか、意外性の高い Chord progression( コード プログレッション - 和音進行 ) でありながら、思いのほか滑らかな印象になっていますね。君も、Function chart( ファンクション チャート - 機能表 )を活用してみたくなったはずです。無限の可能性を追究してください。 次はm7(b5)つまりHalf diminished 7thですが、この Chord quality ( コードクォリティー - 和音特性 )についてはm7と同じように考えれば良いでしょう。すなわち次の如くにです。

ここでペンディングにしていた Subdominant minor (サブドミナントマイナー - 下属短和音 ) について考えてみましょう。 Subdominant minor (サブドミナントマイナー - 下属短和音 ) という何となく誘惑的なネーミングに惑わされてはいけません。おそらく命名者は Subdominant (サブドミナント - 下属和音 )であるF△7が、Fmに変化したので単純に Subdominant minor (サブドミナントマイナー - 下属短和音 ) としたのでしょう。しかしこれではFunction ( ファンクション - 機能 )の取り扱いが限定的で不自由ですし、発展的に検証すると矛盾が出てきます。
それでは Subdominant minor (サブドミナントマイナー - 下属短和音 ) とは一体何者なのでしょうか? 勘の良い君にはもう多くの説明は不要だと思います。Function chart( ファンクション チャート - 機能表 )を見直してください。Function chart( ファンクション チャート - 機能表 )の中でSDとなっている Chord ( コード - 和音 )が、まさに Subdominant minor (サブドミナントマイナー - 下属短和音 ) と呼ばれているものです。つまり、 Subdominant (サブドミナント - 下属和音 )と Dominant ( ドミナント - 属和音 )のFunction ( ファンクション - 機能 )を合わせ持った Chord ( コード - 和音 )が Subdominant minor (サブドミナントマイナー - 下属短和音 ) です。 そうすると、世間一般で Subdominant minor (サブドミナントマイナー - 下属短和音 ) に分類されている Chord ( コード - 和音 )とは多少の誤差が発生しますね。
そこで、世間一般を信じるか、はたまた Mr. Tone ( ミスタートーン ) を信じるか、君の運命の分かれ道です。なんてちょっと大袈裟ですが、君自身で十分に研究して、正しい答えを確認してください。
最後にMajor 7thのFunction ( ファンクション - 機能 )について解説します。Major 7thは他の3つの Chord quality ( コードクォリティー - 和音特性 )とは、取り扱いが違ってきます。それは、元の Tonality ( トーナリティ - 調性 ) に無いMajor 7thの突然の出現は、当然 Tonality ( トーナリティ - 調性 ) の変更、つまり本質的な(一時的でない)転調を伴うからです。したがって、Major 7thの出現の仕方によっては、Function chart( ファンクション チャート - 機能表 )も新たなKeyに移調しなければなりません。しかしながら、移調の必要がない場合もあり、この場合はm7に準じた活用が可能になります。 もう一度Function chart( ファンクション チャート - 機能表 )を見ながら学習しましょう。

例えば、Key of Cの時にAb△7をIVとして使ったとします。この場合はKey of Ebとなり、 Modulation ( モジュレイション - 転調 )はしていますが、Function ( ファンクション - 機能 ) の位置はKey of Cの時と同じです。したがってこの時のAb△7にはSDのFunction ( ファンクション - 機能 )を想定して Chord progression( コード プログレッション - 和音進行 ) を行うことができます。Ab△7をD△7やB△7 に置き換えても、距離は遠くなるもののこの法則はSDの機能は果たせます。(もちろん前後の Chord はそれなりに変更する必要がありますが)しかし、G△7の出現はどうでしょうか?DがSまたはTに変更されるのですから、当然Function chart( ファンクション チャート - 機能表 )の移調を伴い、新たなKeyのSもしくはTとして Chord progression( コード プログレッション - 和音進行 ) を構築しなければなりません。
さらにこの現象から、Function chartの新たな活用方法が生まれてきます。気が付きましたね。そうです、Function chartの移調を伴わない転調は、究めて自然な印象になります。これはクラシカルな用語を使いますと「二次近親調」の発展的応用ということができます。 Function chartではSdやTsとしていますが、これは影響力の弱い機能を小文字で表わしています。
また、D△7にdと表記してあるのは、Major7th chordにも多少の Dominant function ( ドミナントファンクション - 属音機能 ) が存在することを表わしています。もちろん Dominant 7th chord ( ドミナント セブンス コード - 属7和音 )と比較するとMajor 7th chordの Dominant function ( ドミナントファンクション - 属音機能 ) は希薄です。しかしその希薄でどこか頼りなげな感覚が、むしろ現代的なFeelingを創り出したりもします。
さて、まだまだ見るべきものがありそうで、名残惜しいような気もしますが、Function ( ファンクション - 機能 ) 山脈についてはこの位にしておきましょう。君も独自にさらなる研究をしておいてください。何時かどこかでお会いできたら、この Mr. Tone ( ミスタートーン ) とさらに綿密な探検結果について情報交換を是非したいものです。
次はいよいよ Blues feeling ( ブルース フィーリング - ブルース感覚 )。Rockのルーツと未来を探りましょう。
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