音楽理論 講座
作曲・編曲のための
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21. Diatonic motion (ドミナントモーション - 4度進行 )(1)

Major scale system ( メジャースケールシステム - 長音階系 )と Altered scale system ( オルタードスケール システム - 変化音階系 )、そしてPassing chords & scales とChromatic approach ( クロマチック アプローチ - 半音装飾隣接 ) を手に入れた私たちは、もうすでに大空を自由に飛び回るための翼を手にしたも同然です。これからは Tonality ( トーナリティ - 調性 ) の束縛を抜け出して、広大な Sound World ( サウンド ワールド )を自由自在に飛び回るためのノウハウ、つまりComplete chord progress ( コンプリート コードプログレス - 完全なコード進行 ) を捜しに行きたいと思います。

大空を舞う方法を知ったとき、私たちはきっと、 Sound World ( サウンドワールド )のあまりの自由さに驚くでしょう。そして嬉しさのあまり、あらゆる方法を駆使して空間が広がる限りの、隅から隅までを飛んでみたいと思うでしょう。

しかし、これからまさに自由を手に入れようとしている私たちが、あらかじめ知っておかなければならない教訓があります。

それは数えきれない程の音楽家が、一度も注目されることなく人生を終わり、そしてドラマの幕が下りて何世代もの歳月が走り去った現在でも、誰一人として彼が存在したことすら気付いていないことです。

彼には才能がなかったのでしょうか?答えは当然のようにNOです。彼には有り余る才能と力強い翼がありました。彼にもし責任があるとすれば、自分が極少数派に属していることに気が付かなかったことでしょう。大空を目指しているうちに、翼を持たない人々のことを忘れて、あまりにも遠くに飛んで行った彼の姿は、地上からは見えなくなってしまったのです。

ところで彼は不幸だったのでしょうか?

私、つまり Mr. Tone ( ミスタートーン ) は不幸だったとは思えません。むしろ彼は幸せだったはずです。 Sound World ( サウンド ワールド )を自由に飛び回る翼を手に入れて、彼は夢のような経験をしたことでしょう。彼は地上と離れ過ぎたことに気付いていたかもしれません。しかし、それでも良いと思ってしまうほど魅力的な世界が、 Sound World ( サウンドワールド )には広がっています。例えて言えば宇宙のようなものかもしれません。もしくはミクロの世界にも似ているような気がします。


さて、ここまで考えてからもう一度振り返る必要がありそうです。それは、私たちが音楽を好きになったきっかけです。私たちが好きになった最初の音楽が、地上からは聞えないほど遠くの音楽だったとは思えません。そうかといって、誰にでもすぐに解るほど単純な音楽に感動したわけでもありません。ここでもまた繰り返して確認しておきたいことは Proportion ( プロポーション - 調和 )です。翼を手にした私たちには、 Sound World ( サウンド ワールド )の素晴しさを次の世代に伝えて行く必要があるでしょう。もちろん時には遥か彼方に舞い上がって孤高を楽しむのも良いでしょう。しかしまたある時には、若者たちが遊ぶ浜辺に舞い下りて、 Sound World ( サウンド ワールド )の秘密を少しだけ教えてあげるのも楽しいものです。

本題に入りましょう。私たちは次の4つの Chord progression( コード プログレッション - 和音進行 ) については知っています。

1・ Scale tone motion ( スケールトーンモーション - 音階的進行)
2・Diatonic dominant motion (ダイアトニックドミナントモーション - 全音音階的4度進行 )
3・Functional motion ( ファンクショナル モーション - 機能進行 )
4・Resistive motion ( レジスティブ モーション- 反抗的進行)

そこで次に、前に約束した通り、残りの3つの Chord progression( コード プログレッション - 和音進行 ) について研究しましょう。


5・Perfect diatonic motion (パーフェクトドミナントモーション - 完全4度進行 )〜普段は単に Diatonic motion (ドミナントモーション - 4度進行 )と呼ぶ〜
6・Chromatic motion ( クロマチックモーション - 半音階的進行 )【半音階的進行】
7・Substitute motion ( サブスティテュートモーション - 代理和声的進行 )【代理和声的進行】


はじめにPerfect diatonic motion (パーフェクトドミナントモーション - 完全4度進行 )です。

Perfect diatonic motion (パーフェクトドミナントモーション - 完全4度進行 )は、Single note(単音)自体が本来持っている性質を、そのまま素直に許してあげる進行です。Single noteは本来的にPerfect 4th上に解決しようとする性質をもっていますから、Perfect diatonic motion (パーフェクトドミナントモーション - 完全4度進行 )によって進行してあげることが、最も抵抗の少ない Chord progression( コード プログレッション - 和音進行 ) といえます。

Harmonic over tone ( ハーモニク オーバートーン - 倍音) を覚えていますか? Sound World ( サウンド ワールド )の入り口で見た音色を構成するあの音列です。
もう一度Harmonic over tone ( ハーモニク オーバートーン - 倍音) を確認して見ると、そこには Dominant chord ( ドミナント コード - 属和音 ) が見えて来ます。




そしてこの Dominant chord ( ドミナントコード - 属和音 ) は、次の様に進行して Tonic (トニック - 主和音 )に解決しようとする性質をもっています。


Perfect diatonic motion (パーフェクトドミナントモーション - 完全4度進行 )

このPerfect diatonic motion (パーフェクトドミナント モーション - 完全4度進行 )は、人間の感覚に対して最も自然な印象を提供してくれる進行で、その感覚的メカニズムは次のような過程によってもたらされます。

順を追って確認して行きましょう。
Dominant chord ( ドミナントコード - 属和音 ) に含まれる+4thの Interval ( インターバル - 音程 ) 、すなわちTri Tone ( トライトーン - 音3全音)によって軽度の緊張感が発生します。



そして緊張を感じた人間は、ごく自然な感覚として安定が欲しいと感じます。しかもTri Tone ( トライトーン - 音3全音) の2つの Tone ( トーン - 音 ) が、最も自然な方向に動いて欲しいと期待します。自然な方向、それは安定した Harmony ( ハーモニー - 和声 )であるM3rd、またはその Inversion ( インバージョン - 転回 )のm6thの Interval ( インターバル - 音程 ) を形成する方向、つまり次のようにChromaticに動くことを意味します。


Tri Tone ( トライトーン - 音3全音) の解決

感覚的メカニズムを理解したところで、Perfect diatonic motion (パーフェクトドミナント モーション - 完全4度進行 )の実例を見て行きましょう。
はじめは、 Dominant chord ( ドミナント コード - 属和音 ) の連続による基本的なPerfect diatonic motion (パーフェクトドミナント モーション - 完全4度進行 )で、Perfect Circles of 5th (パーフェクト サークル オブ フィフス - 完全5度圏 )と呼ばれている Chord progression( コード プログレッション - 和音進行 ) です。
このPerfect Circles of 5th (パーフェクト サークルオブ フィフス - 完全5度圏 ) は、V→ I と解決した時の I が、解決した瞬間にあらたなKeyのVに変身したことによって、さらにあらたなKeyの I に解決していくメカニズムの繰り返しによって完成します。そして全てのKeyを経由してスタート地点に戻ってきます。


次は、Perfect Circles of 5th (パーフェクト サークルオブ フィフス - 完全5度圏 ) に Tension ( テンション - 緊張音 )を付加してみましょう。全てが(9.13)ですが、実際の仕事の現場と同じように Tension ( テンション - 緊張音 )の表記は省略します。


9th. 11thをAutomatic addition ( オートマチック アディション - 自動付加 ) したPerfect Circles of 5th (パーフェクト サークルオブ フィフス - 完全5度圏 ) も研究しておきましょう。 この場合の Chord name ( コードネーム- 和音記号 ) はほとんどのケースでFraction chord ( フラクション - 分数コード)による表記を用います。 そしてこの Chord ( コード - 和音 )は、II / Vと呼ばれ、私たちの大好きな Sound ( サウンド - 音響 )で多用される Chord ( コード - 和音 )の一つです。


Perfect diatonic motion (パーフェクトドミナントモーション - 完全4度進行 )は、全ての Chord quality ( コードクォリティー - 和音特性 )に応用することができます。ここではその全てについて実際に確認しておきましょう。Fundamental chord ( ファンダメンタル コード - 基本和音 ) による例と Tension chord ( テンション コード - 緊張和音 ) による例の両方を紹介します。


minor 7th chord ( マイナーセブンスコード - 短7和音 )に自動付加するtensionは基本的に9thです。


9th. 11thのAutomatic addition ( オートマチック アディション - 自動付加 ) も弾いてみましょう。これは Dominant chord ( ドミナント コード - 属和音 ) から導かれたII / Vと、まったく同じ Structure ( ストラクチャー - 構造 )になります。しかし Dominant chord ( ドミナント コード - 属和音 ) からのII / V と、minor 7th chord ( マイナーセブンスコード - 短7和音 )からのVI /II やIII / VI は、対応する Scale ( スケール - 音階 ) に違いがあることは当然です。因みに、 Dominant chord ( ドミナント コード - 属和音 ) からのII / VではMixolydian ( ミクソリディアン )を使用し、minor 7th chord ( マイナーセブンスコード - 短7和音 )からのVI / IIの時はDorian ( ドリアン )を、III / VI の時はAeolian ( エオリアン )を使用します。


次にMajor 7th の場合を研究しましょう。


次に9th.13thを自動付加して見ましょう。


Major 7thの時の、9th.# 11thのAutomatic additionも研究しましょう。


特殊な感情表現に限られますが、Half diminished chord による Diatonic motion (ドミナントモーション - 4度進行 )も可能です。


ここでは Chord quality ( コードクォリティー - 和音特性 )ごとに検証してきた Diatonic motion (ドミナントモーション - 4度進行 )ですが、実際には組み合わせて使うことは言うまでもありません。あ、そうそう Altered scale system ( オルタード スケール システム - 変化音階系 )から導かれる Chord ( コード - 和音 )の Diatonic motion (ドミナントモーション - 4度進行 )についても確認する必要がありますね。もうだいぶん脳細胞が疲労して参りましたので、一休みしてから次の Chapter ( チャプター- 章 )で研究することにしましょう。


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