音楽理論 講座
作曲・編曲のための
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19. Altered scale system ( オルタードスケール システム - 変化音階系 )の扉が開いた

Real minor Scale ( リアル マイナースケール - 長音階的短音階 ) の階段を登り切った時、私たちの胸は張り裂けそうに高鳴っていた。長い階段を大急ぎで登ってきたことも一つの理由だろう。しかし本当の原因は目の前の大きな扉のせいだった。見上げると、扉だけで5階建てのビルぐらいはあるかもしれない迫力で、しかも全体がクリスタルに輝いて、扉の向こう側の光、そう未来の光を拡散して私たちを歓迎しているように見える。それにしても、見るからに巨大なこの扉を、私たちはどうやって開けば良いのだろうか。

誰にでもこんな時があります。新しい挑戦を決意したとき、そのテーマの大きさに一瞬戸惑って、自分自身の能力に疑問を感じてしまうときが。この問題に対する Mr. Tone ( ミスタートーン ) の答えはシンプルです。まず固定観念に惑わされないように心を白紙にしてください。扉について言えば、大きな扉が必ずしも重たいとは限りません。大きくて軽い扉もあります。第一扉の存在さえも疑問です。クリスタルに見えると言うことは、もしかしたら光だけで作られた幻影の扉かもしれません。大切なことは実行です。そして前進です。けして固定観念によって行動を止めたり、後戻りをしたりしないでください。さあ、サッカーボールほどのノブを両手で回して扉を開けましょう。

1・2・3!



私たちがノブを回した瞬間、巨大なクリスタルの扉は一瞬にして銀河になった。ちりばめられた光の渦が 、ダークブルーの空間をとてつもないスピードで飛び回っている。次の瞬間、無数の光たちは一斉に未来に向かって遠ざかったと思うと、猛烈な明るさで未来の世界を照らし出した。

私たちは何がおこったのか分からなかった。そして目の前の世界が現実のものとは思えなかった。視界いっぱいに、ライトグリーンに敷き詰められた大草原が 広がって、遠くには真っ白な砂浜とマリンブルーに輝く海が見える。そして遥か彼方に海を超えて確かに大きな島影が、新しく生まれた太陽の下に浮かび上がっている。あれがきっと「 Harmony 協和国-上級者島」なんだろう。期待に胸を膨らまして未来に向かおうとして、もう一度足元の草原に目を移すと、そこにはフラミンゴピンクのハイビスカスが明るさを競っていた。

すぐ隣にあった右の階段を登って、大きな扉を開いただけで、アッと言う間にこんなにも素晴しい世界にあえるなら、誰だって思うでしょう。最初から右の階段を登れば良かったと!。でも、前にも言った通り、左を知らないで右の階段を登っても、あのクリスタルの扉は開きません。そう、君には Sound World ( サウンド ワールド )の楽園に入る資格があったから、だから扉が開いたんです。君はもうこの楽園で、それこそ音楽と遊んでいるだけで、信じられないほど大きな知識を手にいれることができるでしょう。そうです、「音楽と遊ぶ」と「音楽を学ぶ」は一つに同化して「音楽を楽しむ」ことで日々進歩し、自分自身に自信が持てるようになります。

さて、それでは Altered scale system ( オルタードスケール システム - 変化音階系 )を解明していきましょう。はじめに、全てのKeyの Altered scale system ( オルタードスケール システム - 変化音階系 )を検証します。そして、今や私たちは Chord ( コード - 和音 )と Scale ( スケール - 音階 ) の関係において何が必要かを知っています。そうです、 Tone of chord structure (トーン オブ コード コードストラクチャー - 和音の構成音)、 Tone of scale structure ( トーンオブ スケールストラクチャー - 音階構成音)、 Tone of tension on a scale ( トーンオブ テンションオン ア スケール - 音階上のテンション)、 Avoid note ( アボイドノート - 回避音 )は、相互に関連して音楽的意味を持つものですから、各々を分離して記憶していては記憶領域の無駄使いです。これからは、全部まとめて面倒見ましょう。

次の Score ( スコアー - 楽譜)でおおよそ分析してください。でも本格的な記憶はちょっと待ってくださいね!。次の次の Score ( スコアー - 楽譜)では、 Mr. Tone ( ミスタートーン ) が推奨する実践的で合理的な記憶法を紹介します。

Key of CmKey of FmKey of BbmKey of Ebm
Key of AbmKey of C#mKey of F#mKey of Bm
Key of EmKey of AmKey of DmKey of Gm

いやいや、大変お疲れさまでした。それにしても面白くなってきましたね。次はお約束通り合理的な記憶法です。合理的に記憶するには、何が重要で何が必要無いかの優先順位を理解する必要があります。

そこで Altered scale system ( オルタードスケール システム - 変化音階系 )の7つの Chord & Scalesを使用頻度の順に分析しながら、Substitute chord ( サブスティテュート コード - 代理和音 )として使用可能なグループにまとめて、相互の関連を確認しながら同時に覚えてしまうことにしましょう。ついでに Altered scale system ( オルタードスケール システム - 変化音階系 )におけるProfessional piano positionも見ておきましょう。

優先順位はVII、IV、VI、III。 I、II、V はほとんど必要が無いと言っても良いでしょう。

Major scale systemでは重要な地位に付いていた I とII とV が、ここでは不必要に近い存在となっているところが実に興味深いところです。

はじめにVIIとIV を分析しましょう。

Chord structure ( コードストラクチャー - 和音構造 )に注目しましょう。VIIとIV の Inner voice ( インナーボイス - 内声 ) は完全に同じです。どうやら Chord ( コード - 和音 )としての違いは単に Root ( ルート - 根音 ) だけのようです。 Scale ( スケール - 音階 ) はどうでしょうか?これも同じCのReal minor ( リアルマイナー ) に属していますから、当然同じ Tone ( トーン - 音 ) によって構成されています。そうです、2つの Chord ( コード - 和音 )s & Scale ( スケール - 音階 ) s は Root ( ルート - 根音 ) だけが違っていて、その結果 Root ( ルート - 根音 ) と Root ( ルート - 根音 ) 以外の Tone ( トーン - 音 ) との Interval ( インターバル - 音程 ) が変化しただけの構造になっています。

このような関係のことをSubstitution relation ( サブスティテュート リレーション - 代理関係 ) といって、VII から見てIV を、IV から見てVII をそれぞれSubstitute chord ( サブスティテュート コード - 代理和音 )と呼びます。

Substitution relation ( サブスティテュート リレーション - 代理関係 )の Root ( ルート - 根音 ) どうしの Interval ( インターバル - 音程 ) が、+4thの関係になっていることにも注目しておきましょう。

さらに、Substitute ( サブスティテュート - 代理 )によって Chord structure ( コードストラクチャー - 和音構造 )が次のように変化していることを確認してください。

#9th → 13th、 ♭13th → 9th 、3rd → 7th 、7th → 3rd

それでは、同じ Root ( ルート - 根音 ) のSubstitution relation ( サブスティテュート リレーション - 代理関係 )で、 Inner voice ( インナーボイス - 内声 )を次のように入れ替えてみましょう。


ゆっくりと調べて下さい。見ためは難しそうですが、2つの Scale ( スケール - 音階 ) はまったく同じ Tone ( トーン - 音 ) で構成されています。もちろん Chord ( コード - 和音 )も、Inner voice は完全に一致しています。2つの違いは Root ( ルート - 根音 ) と、 Root ( ルート - 根音 ) の変更によってもたらされた Chord quality ( コードクォリティー - 和音特性 )の変化と、それに伴う表記上の違いでしかありません。君が Keyboard ( キーボード - 鍵盤 )に向かって確認さえすれば、これがどれだけ簡単なことかが解るでしょう。しかしもしkeyboardでの確認を怠って、 Score ( スコアー - 楽譜)だけに頼っているとしたら、 Mr. Tone ( ミスタートーン ) としてはこの System ( システム - 組立 ) のマスターを保証できません!必ず Keyboard ( キーボード - 鍵盤 )で弾いてみてEnharmonic tone ( エンハーモニックトーン - 異名同音 )に惑わされない感覚を身に付けましょう。 さて、Substitute ( サブスティテュート - 代理 )による Chord structure ( コードストラクチャー - 和音構造 )の変化はどうなったでしょうか?実は次のように、前ページの Score ( スコアー - 楽譜)とは完全に Reversal ( リバーサル - 反転 ) の関係になっていることが解ります。

13 th→#9th 、9th →♭13th 、7th → 3rd 、3rd → 7th

それではVIIとIVのSubstitution relation ( サブスティテュート リレーション - 代理関係 )を12のkeyで見てみましょう。

Key of Cm → Key of F#m
Key of Fm → Key of Bm
Key of B♭m → Key of Em
Key of E♭m → Key of Am
Key of A♭m → Key of Dm
Key of D♭m → Key of Gm



どうですか?ゆっくりと確認すれば以外と簡単ですね。

(#9・b13)と(9・13)のSubstitute ( サブスティテュート - 代理 )が理解できたところで、もう一つ同じVIIとIVの関係を見ておきましょう。それは、(b9・b13)と(9)のSubstitute ( サブスティテュート - 代理 )です。ここでもやはり次のような Reversal ( リバーサル - 反転 )の関係を見ることができます。

♭13 th→ 9th 、♭9th → 5th、 7th → 3rd 、3rd → 7th

Key of Cm → Key of F#m
Key of Fm → Key of Bm
Key of B♭m → Key of Em
Key of E♭m → Key of Am
Key of A♭m → Key of Dm
Key of D♭m → Key of Gm



続いてVIとIII の関係を確認しましょう。この場合のSubstitute ( サブスティテュート - 代理 ) 関係では9thだけを Automatically added tension( オートマティカリーアディッド テンション - 自動付加緊張音 ) とします。なぜなら、Augmented chordを表現するためには当然#5thが必要ですから、したがって#5thの Omit ( オミット - 省略 )が不可となるところから13thの Automatically added ( オートマティカリーアディッド - 自動付加 )もできなくなります。また、同じようにminor 7th flat 5th chord( マイナーセブンス フラット フィフス - 短7減和音 )を表現するためには、b5thを Omit ( オミット - 省略 )することは出来ませんから、したがって b13th の Automatically added ( オートマティカリーアディッド - 自動付加 )もできません。

そしてもう解ってるように、M3rdやm3rdはMajorかminorを特定する目的がありますから、基本的には Omit ( オミット - 省略 )しない方が良いでしょう。しかしもちろん、# 11thや 11thの Sound ( サウンド - 音響 )が必要な時には3rdを Omit ( オミット - 省略 )して# 11thまたは 11thに置き換えることもできます。

Key of Cm → Key of F#m
Key of Fm → Key of Bm
Key of B♭m → Key of Em
Key of E♭m → Key of Am
Key of A♭m → Key of Dm
Key of D♭m → Key of Gm


さて、I、II、Vについては、まれにしか使いませんから無視しても良いのですが、時々使う時のために参考なまでに見ておきましょう。当然Substitution ( サブスティテューション - 代理 )にはなりませんから、それぞれを別々に見ていくことにしましょう。

Altered scale system の I

ところで君も知っている通り、ここまでの Scale ( スケール - 音階 ) 、つまりAltered scale system ( オルタードスケール システム - 変化音階系 )のVII、IV、VI、III、I の Scale ( スケール - 音階 ) には、 Avoid note ( アボイドノート - 回避音 )はありませんでした。実は、この Avoid note ( アボイドノート - 回避音 )のない Scale ( スケール - 音階 ) が5つも有ることがAltered scale system ( オルタード スケール システム - 変化音階系 )の利用価値を高めています。

Composition ( コンポジション - 作曲 )やImprovisationにとって、 Avoid note ( アボイドノート - 回避音 )がないと言うことがどれだけ嬉しいことかは、Major scale sysytemのLydian ( リディアン ) scaleで経験した通りです。それにしてもMajor scale systemではLydian ( リディアン ) Scale ( スケール - 音階 ) しかなかった Avoid note ( アボイドノート - 回避音 )のない Scale ( スケール - 音階 ) が5つもあると言うことは、このAltered scale system ( オルタード スケール システム - 変化音階系 )の威力を予感させるものがありますね。

次の2つの Scale ( スケール - 音階 ) には Avoid note ( アボイドノート - 回避音 ) があります。 Avoid note ( アボイドノート - 回避音 )は Chord structure ( コードストラクチャー - 和音構造 )によって変化します。II の時は Root position ( ルートポジション - 基本形 )ですからb9thがそのまま Avoid note ( アボイドノート - 回避音 )となりますが、Vの時には Chord structure ( コードストラクチャー - 和音構造 )のP5thが b13th に変化していますから、 b13th が Chord tone ( コードトーン - 和声音 ) になってP5thが Avoid note ( アボイドノート - 回避音 )になります。

Altered scale system の II

Altered scale system の V

私たちは、はじめて Altered scale system ( オルタードスケール システム - 変化音階系 )の草原を歩いてみて、この良く整備された障害物の少ない草原が、とても歩きやすいことに感動しました。しかし障害物を恐れていて Sound World ( サウンド ワールド )を走破することはできません。そこで次の Chapter ( チャプター- 章 )ではその障害物、つまり Avoid note ( アボイドノート - 回避音 )についてもう少し研究することにしましょう。


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