音楽理論 講座
作曲・編曲のための
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12. 危機を救う Inversion ( インバージョン - 転回 )

「いつの間にか風も止んで、水平線を流れる淡い雲を、希望に満ちた光線が照らし始めた頃、僕たちは小さな甲板に肩を並べて、嵐との戦いを思い出していた。 Chord progression ( コードプログレッション - 和音進行 )の荒波を渡り切って来たことは確かだ、しかしどこか腑に落ちないものを感じる。何かと言えば、Resistive motion ( レジスティブ モーション- 反抗的進行)になりそうな場面で、突如として Chord ( コード - 和音 )が逆立ちをして Scale tone motion( ( スケールトーンモーション - 音階的進行)に変わってしまったことがあった。もし許されるとしたら、 Chord progression ( コードプログレッション - 和音進行 )はとてつもなく楽になるような気がする」

はいはい、聞こえましたよ君の独り言、 Mr. Tone ( ミスタートーン ) は職業がら地獄耳なんです。君の疑問にさっそくお答えいたしましょう。答えは、そう「君は正しい!!!」

Chord ( コード - 和音 )が逆立ちをする形を、音楽用語では Inversion ( インバージョン - 転回 )(転回形)と呼んでいます。そしてこの Inversion ( インバージョン - 転回 )は、RockやPopsの創作において欠かせない要素として頻繁に使用されています。

Inversion ( インバージョン - 転回 )を利用するメリットは、Resistive motion ( レジスティブ モーション- 反抗的進行)の持っているRock Feeling (ロックフィーリング - ロック感 )を残しながら、 Scale tone motion( ( スケールトーンモーション - 音階的進行)やChromatic motion ( クロマチック モーション - 半音階的進行 )の持っている滑らかな印象の進行を行えることです。

もう一度具体例を思い出してみましょう。

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これは前の章で紹介した「Example B」の最初の8小節とほぼ同じです。ご指摘の通り Inversion ( インバージョン - 転回 )が多用されていますね。分子の Chord ( コード - 和音 )だけを見ると、多くの場面でResistive motion ( レジスティブ モーション- 反抗的進行)をして、分母を見ると Scale tone motion( ( スケールトーンモーション - 音階的進行)になっています。

この例は Inversion ( インバージョン - 転回 )の使い方を解説するのに好都合で、しかも多くのヒット作品がこの Chord progression ( コードプログレッション - 和音進行 )を使っていますから、まさに一石二鳥と言うものです。多くのヒットメーカーと同じように、君もこの Chord progression ( コードプログレッション - 和音進行 )を使って名曲を創ってしまいましょう。

さてっ、 Inversion ( インバージョン - 転回 )のメリットを感じて興味が出てきたところで、 Inversion ( インバージョン - 転回 )の考え方についてサクっと覚えてしまいましょう!


Inversion ( インバージョン - 転回 )は転回形、つまり Chord ( コード - 和音 )をひっくり返して使えば今のところそれでOKです。今のところと言ったのは、将来的に繊細に創作する時には、それなりに分類する必要が発生することを考慮しての発言ですから、まさに今のところは大胆に活用することがむしろRock的な使い方と言えます。

それでは知っている Chord ( コード - 和音 )を、どんどんひっくり返してしまいましょう。ひっくり返しさえすれば、それで Inversion ( インバージョン - 転回 )は完了です。
とても簡単ですね。3Way Chord ( スリーウエイ コード - 3声和音) は Root position ( ルートポジション - 基本形 )以外に2つの Inversion ( インバージョン - 転回 )。4Way Chord ( フォーウエイ コード - 4声和音 )は Root position ( ルートポジション - 基本形 )以外に3つの Inversion ( インバージョン - 転回 )。理屈はすぐに解るとして、実際は、全ての Inversion ( インバージョン - 転回 )を Piano またはGuitarのような Chord ( コード - 和音 )を演奏できる楽器で、何時でもすぐに弾けるように練習することが大切です。

ところでもしかしたら、君が未だ知らない Chord ( コード - 和音 )があったかも知れません。でもまあ、もうすぐ出てきますから今日のところは、そんな Chord ( コード - 和音 )もあるということでお許しください。それから、めずらしくVIIの Chord ( コード - 和音 )、つまりここではKeyがCですからBm7(b5)が出てきました。Diatonic Chord ( ダイアトニックコード - 全音階和音 )の解説では早々に登場したVIIの Chord ( コード - 和音 )が、しばらく影を潜めて居たのは何故でしょう。そう言えば Chord progression ( コードプログレッション - 和音進行 )の中には、とうとうただの一度も現われませんでした。

実は、今の段階においVIIの Chord ( コード - 和音 ) を利用することは、とても危険なことなのです。もちろん、もう少し冒険が進んで、いくつかの経験や知識を身に付ければ、VIIを怖がる必要もなくなります。しかし今のところは、もしVIIにBassを置きたくなったら、それはVの1st Inversion ( ファーストインバージョン - 第一転回形 ) として取り扱いましょう。つまり、もしKeyがCなら、Bm7(b5)をG/Bに変更することです。

Score ( スコアー - 楽譜)で確認しましょう。

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さて、 Inversion ( インバージョン - 転回 )を実際の演奏に活用するに当たっては、演奏者の担当する音域の違いによって2種類の見方を理解する必要があります。それは、Pianist の右手と左手で考えると良いでしょう。

Pianist の右手は Chord ( コード - 和音 )の繋がりを滑らかにするために、 Chord ( コード - 和音 )表記が Root position ( ルートポジション - 基本形 )であっても、自分自身の判断で自由に任意の Inversion ( インバージョン - 転回 )を選択して演奏します。特にお願いされれば、お願いされた Inversion ( インバージョン - 転回 )で演奏することはもちろんですが、たいていの場合は自由に Voicing ( ボイシング - 声部作成 )して自分好みの Sound ( サウンド - 音響 )にします。そしてこの場合、つまり右手の Voicing ( ボイシング - 声部作成 )は Root position ( ルートポジション - 基本形 )もしくは2nd Inversion ( セカンドインバージョン - 第二転回形 ) を選択することが常識的な選択です。

いっぽう左手は基本的にBassを演奏します。たとえばF△7 ならFを、C/EならEをといった方法でBassとして指定された Tone ( トーン - 音 ) を演奏して、 Sound ( サウンド - 音響 )を安定させます。

ここで問題ですが、たとえば Chord ( コード - 和音 )がG7/Fだとして、右手の Voicing ( ボイシング - 声部作成 )が2nd Inversion ( セカンドインバージョン - 第二転回形 )の時、左手はBass指定にしたがってFを弾いたとします。この場合、 Sound ( サウンド - 音響 )全体としての Inversion ( インバージョン - 転回 )は何になるでしょうか?


正解は、G7の3nd Inversion ( サード インバージョン - 第三転回形 )です。つまり、 Inversion ( インバージョン - 転回 )はBassの位置によって確定します。

右手は2nd Inversion ( セカンドインバージョン - 第二転回形 ) なのに全体は3nd Inversion ( サード インバージョン - 第三転回形 ) 。なれるまでには少し時間を必要としそうですが、ようは鳴っている Tone ( トーン - 音 ) の最低音で判断すれば正解です。それから上の楽譜ですが、本当は右手の Voicing ( ボイシング - 声部作成 )からFを Omit ( オミット - 省略 )した方がきれいです。あしからず!!!。

Inversion ( インバージョン - 転回 )の考え方が解ったら、あとは必要な時に必要な Inversion ( インバージョン - 転回 )を覚えれば良いと Mr. Tone ( ミスタートーン ) は考えます。したがいまして、いま全部を覚えようとする必要はありません。

さあさあ Inversion ( インバージョン - 転回 )に長居は無用、大急ぎで「 Scale ( スケール - 音階 ) 王国」にもどって、 Sound World ( サウンド ワールド )にとって最も大切な仕組み、そう、 Chord ( コード - 和音 )と Scale ( スケール - 音階 ) の親密な関係を発見しましょう。


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